建物構造
   
超高層のスペシャリストとして知られる大林組が「キャナルファーストタワー」の設計・施工を手がけました。大林組ならではのクオリティの結晶。数々の超高層をはじめ、「大阪城天守閣・平成の大改修」や「京都・南座」などの伝統建設までも手がけています。
 
     
震度7クラスの地震にも耐えうる強度を獲得。大林組ならではの「チューブインチューブ構造」です。 高強度・太径鉄筋や高強度せん断補強筋などを採用。高強度材から地震に強い超高層が生まれます。 住戸の床には厚さ約280㎜~300㎜の大型ボイドスラブを採用。振動を抑えることで、優れた遮音性能も獲得しています。 確かな品質を約束する、「設計住宅性能評価書」「建設住宅性能評価書」を取得予定です。

基礎

地盤調査
地震の際に倒れたり、損傷しないようにするには、強固な構造と共に、建物を「堅固に」また「確実に」支えるための基礎と強い地盤が必要です。建物づくりは、 まずその地盤(支持層)を探すことから始められます。「キャナルファーストタワー」は、設計に先立って、まず建設場所の地質調査や標準貫入試験などの地盤調査を行い、地盤振動特性も把握した上でその地盤に応じた基礎の設計を行っています。

63本のアースドリル杭
「キャナルファーストタワー」をしっかりと支えるのは、63本のアースドリル拡頭拡底杭(一部拡頭杭)。 支持層に到達する約65mの深さまで打ち込み、建物全体を支えます。さらに、基礎を地下約9mの深さまで根入れする頑強な構造を採用。建物の基礎を強化し、万一の液状化にも対応しています。

杭孔を超音波で検査
現場造成杭の施工を確実に行うため、試験的に施工する杭で1m掘進むごとに地盤調査データと実際の土質を検査。 施工した全部の杭について以下の確認を超音波で検査した上でコンクリートを流し込みます。
①杭が支持層まで達しているか
②杭が垂直に堀られているか
③設計図通りに杭の直径が確保されているか 【N値とは】 地盤の堅さを表す値。重量63.5kgのハンマーを75cmの高さから落下させ、鋼管パイプを地中に30cm貫入させるのに必要な打撃回数のことをいいます。 ※N値は、実際の杭を打つ場所や地層の傾斜によっても数値が異なる場合があります。

構造

耐震設計について
「キャナルファーストタワー」は建物高さが60mを超える超高層建築物のため、一般の建物(高さ60m以下の建物)と比較して、詳細な構造計算が要求され、厳格な審査により建物の安全性が確 かめられています。構造計算は建築基準法施行令第81条の2の規定に基づき国土交通大臣が定める基準に従って行なわれ、その審査は下記に示すルートに従って、大学教授を中心として構 成された(財)日本建築センターの「超高層建築物構造怪能評価委員会」による審査を受け、国土交通大臣の個別認定を取得し、最終的に(財)日本建築センターによる確認通知を取得しています。

「チューブインチューブ構造」
地震時にゆっくり揺れることで、地震エネルギーを抑える。そのような架構特性を持つ超高層に、 さらにフレキシビリティをプラスしたいと考えました。「キャナルファーストタワー」の強度を支える のは、大林組ならではの技術「チューブインチューブ構造」です。建物中央の吹抜部に柱・梁 を集約したチューブ架構をはじめ、3重のチューブ構造を採用。震度6強 ~ 7程度の地震にも 耐えうる強度を保有しています。さらに、内側にチューブを用いた架構システムを採用することで、 ワイドスパン住戸を多数実現。また、チューブ間を大型スラブで連結することで、住戸内の柱や 梁を軽減。より自由度の高いプランニングを可能にしています。

フープ筋(せん断補強筋)
建物により多くの粘りを持たせるため、ラーメン構造(柱と梁による構造)における主要な 柱のフープ筋(せん断補強筋)には、溶接閉鎖型フープ筋を使用しています。これは地 震の揺れに対して柱主筋の折れ曲がりを防止して、中心部のコングノートの拘束力を増 す効果があり、一般のフープ筋と比べてせん断力(ハサミで切るような力)に対する補強 を高め、柱の耐震性を増大させる効果があります。

ボイドスラブ
住戸の床には約280mm ~ 約300mmの厚さの大型ボイドスラブを採用(一部除く)。梁の少ない伸びやかな居住空間を実現しています。 スパン長約5.85m ~ 約6.5mの大型スラブにボイドスラブを採用

鉄筋コンクリートのかぶり厚
鉄筋をコンクリートでしっかりと覆い腐食から守るためコンクリートで包みこむ厚さを「かぶり厚」といいます。コンクリートの中の鉄筋はコンクリートの中性化が進む と錆びやすくなり、コンクリートを損傷させる原因となります。つまり、このかぶり厚が大きいほど、鉄筋は錆びにくくなり耐久性は高くなります。「キャナルファーストタワー」は 住宅性能表示制度の劣化対策等級3を満たす設計かぶり厚とし、耐久性を確保しています。

コンクリート強度
 「引張られる力」に耐える鉄筋と、「押しつぶす力」に耐えるコンクリート。その両方の特性を活かした構造物が鉄筋コンクリートです。「キャナルファーストタワー」はコンクリート の基本性能である、耐久設計基準強度を30N/mm2(杭を除く)とし、さらに3N/mm2を割増した値を品質基準強度としています。またコンクリートの耐久性に関わる性能のうち、 中性化、表面劣化、鉄筋腐食などに対する抵抗性は、コンクリートの水セメント比に支配されることが大きいため、その値を50%以下(杭を除く)に定めています。
 コンクリートは硬化してすぐに強度が出る訳ではありません。練り合わせから4週間程度までは急激に強度が上がりその後は緩やかに何年間も強度が上がり続けます。 そこで設計時には4週経過後のコンクリート強度(F28)でコンクリート強度を表す場合も有ります。一般的に図面で指示するコンクリートの強度は構造計算に使用する設 計基準強度(FC)で表され18、21、24、27、30、33、36‥N/mm2、と記載されます(数字が大きいほどコンクリート強度は上がります)。一般的にはFC24(N/mm2)です。
 住宅性能表示制度のく劣化の軽減に関すること)の項目では 劣化対策等級は3段階のランクで示され、最高等級は3です。 通常の自然条件及び維持管理条件の下で 3世代(おおむね75 ~ 90年)にわたり大規模な改修工事を必要とするまで の期間を伸長するために必要な対策が講じられています。

高強度材
低層階の柱には最大100N/mm2の圧縮強度を誇る、高強度コンクリートを採用。 さらに、高強度太径鉄筋や高強度フープ筋(せん断補強筋)などを採用しています。
プレキャスト積層工法
柱や大梁など、建物を支える主要な構造躯体には、確かな品質が求められます。そこで、 あらかじめ工場で製作して精度を高める「プレキャスト積層工法」を採用。コンクリート が打設時に天候等による影響を受けないので、高品質・高精度な施工が可能です。

機械式鉄筋継手を採用
コンクリートに組み込まれる鉄筋は、一定の長さの鉄筋を建設現場でつなぎ合わせて 組み上げていきます。通常どんな物でも継目が一番弱くなります。ですから鉄筋をつ なぐ技術は、鉄筋の強度を決める重要なポイント。「キャナルファーストタワー」では、太 径の鉄筋を柱、梁などの各部材に使用していますが、地上階の柱、梁には作業時の 天候などに影響を受けず、確実に安定した性能が受けられる機械式継手を用いて鉄 筋をつないでいます。

コンクリートの受入検査
工場から建設現場に届いたコンクリートは、まず受入検査を打います。これは、コンクリートの柔らかさ、 空気量、塩分量、アルカリ性などをチェックするもので、この検査で確認した後、ポンプ車に送られ、型枠に流し込まれます。
圧縮強度試験
コンクリート技師による管理のもとで固まったコンクリートの試験体に、実際に圧力をかけて強度を試験して確認しています。
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